趣味として楽器を始めようと考える人は少なくないでしょう。 楽器には数々の種類がありますが、管楽器は有名で、演奏経験がある人も多いはずです。
しかし、管楽器とはどういった楽器を指すのでしょうか。また、管楽器にはどんな種類があるのでしょう。 管楽器の種類についてご紹介します。また、管楽器を買うときは、まず中古品を探してみましょう。
管楽器とは、呼吸などによる空気の流れによって、菅の中の空気を振動させて音を出す楽器の総称です。吹奏楽器とも呼ばれることもあります。
管楽器はさらに、木管楽器と金管楽器に分けられます。 木管、金管という部分に着目すると、木製の楽器と金属製の楽器で分けられるように思えますが、実はそうではありません。 フルートやサックス(サクソフォン)など、金属で作られた楽器も木管楽器に分類されているのです。
何が違うのかというと、音の出し方が関係しています。 木管楽器は、リードと言われる薄片を振動させることで音を出す楽器のことです。 言い換えれば、楽器本体の素材は関係なく、リードを使っていれば、木管楽器ということになります。 逆に、金管楽器はマウスピースに口を付け、唇を震わせることで音を出すという特徴があります。
つまり、管楽器は木管楽器と金管楽器に分けられ、木管楽器はリードを使って音を出す、金管楽器はマウスピースを使って唇を震わせて音を出す、と覚えておきましょう。
それでは、管楽器にはどのような種類があるのでしょうか。木管楽器と金管楽器に分けてご紹介します。
まずは、クラリネット、サックス、フルートなど、木管楽器をご紹介します。
クラリネットと言えば、実物を見たことがなくても「パパからもらった~」の歌で、その名を知っている人は多いでしょう。
クラリネットは1700年頃、ドイツの楽器製作者である、ヨハン・クリストフ・デンナー(Johann Christoph Denner)が、シャリュモー(chalumeau)という木管楽器を改造したことが始まりと言われ、名前の由来は、イタリア語の「Clarino(小さなトランペット)」が語源とされています。
クラリネットは、リードが固定されたマウスピース、バレル、管体、ベルという4つの部品によって構成されます。 音域の幅は広く、音域によって音の変化も多いことから、幅広い音を表現できる楽器と言えるでしょう。
サックスは木管楽器の中でも有名で、名前を聞いただけで、どんな楽器なのか頭に浮かべられる人がほとんどでしょう。 しかし、実はサックスと言う名前は略称で、正式な名前は、サクソフォーンまたはサクソフォンと言います。
サックスの登場は1840年代。ベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックス(Adolphe Sax)が、バスクラリネットを改良中に考案された楽器です。 サックスは、クラシックやポップス、様々なジャンルの音楽で使われますが、ジャズのイメージが強い楽器ではないでしょうか。
フルートはエアリードと言われる、リードを使わない特殊な振動方法を使った横笛です。 フルートという意味を広義に捉えた場合は、その歴史は約40万年前に登場した、ネアンデルタール人がアナグマ類の足の骨で作った笛が、起源と言えます。
また、フルートと言えば、昔はリコーダーのことを示していました。横笛が登場し始めるのは、16世紀に入った頃です。17世紀は横笛は影を潜めますが、18世紀になると人気が出始め、様々なタイプのフルートが登場し、乱立してしまうような状況となります。 しかし、1832年にドイツの音楽家であるテオバルト・ベーム(Theobald Boehm)が、ベーム式フルートを制作したことで、その状況に終止符が打たれます。これに改良を加えられたものが、フランスを中心に広がり、現在でもフルートの基本設計となっています。
次に、トランペット、トロンボーン、ホルンなどの金管楽器をご紹介します。
説明不要とも言える、金管楽器の代表とも言える、トランペット。 トランペットの先祖である、ラッパの歴史は長く、新石器時代まで遡ることができます。トランペットの特徴を持った、最初の楽器は、ギリシア・ローマ時代に登場した、サルピンクス(salpinx)、チューバ(tuba)・リトゥス(lituus)だと考えられています。
さらに、1240年のイタリアでフェデリーコ2世がトゥベクタ(tubecta)という楽器を作らせた記録があり、これがトランペットの語源となりました。 その後、進化が続き、19世紀初頭にバルブ付きの楽器が登場し、現在のトランペットが完成されていきます。
トロンボーンはイタリア語で「大きなトランペット」という意味の金管楽器です。 トランペットと同じく、ラッパから派生した楽器で、さらに言えば、15世紀に登場したスライド・トランペットが派生したと考えられています。
トロンボーンは成人男性の声に近い音域で、スライドの調整によってスムーズにハーモニーを奏でられることから「神の楽器」とまで言われていました。
ホルンはカタツムリのような、巻かれた円錐状の管に、ロータリー式のバルブを持った金管楽器です。 イタリア語でコルノ(corno)、フランス語でコール(cor)などと言われ、いずれも動物の角を意味しています。そのため、広義でのホルンは動物の角や、ほら貝で作られていました。
16世紀までは、狩猟の際に信号用の楽器として発達していました。馬に乗りながら演奏できるよう、管が巻かれた肩にかつげる形状でした。 19世紀の中頃までは「ナチュラル・ホルン」と言われる、丸められた管にマウスピースが付いたシンプルなもので、唇の振動や息の吹込みで速さを調節できる、という程度でした。 18世紀中期には、ゲンシュトップ奏法と言われる、ベルの中に手を入れて、音程を変える技法が考案されました。
しかし、この技法で出せる音は限られ、不安定なものでした。 そこで、19世紀中期にバルブを使って管の長さを調整する「バルブホルン」が登場したのです。こうして、ホルンは安定した演奏が可能となりました。
このように、管楽器には様々な種類があり、どれも有名で人気なものばかりです。 そのため、これから管楽器を始めたい、新しい管楽器に買い替えたい、という人も多いでしょう。
そんなとき、新しい管楽器を買うのではなく、中古・リユース品を一度探してみるのはいかがでしょうか。 中古・リユース品であれば、購入価格を抑えることができ、廃棄されてしまうかもしれない楽器を再び活躍させられます。
趣味で音楽を始めるのと同時に、ぜひ循環社会に貢献してみてはいかがでしょうか。